スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

月の浮かぶ夜に



いつもの仲間と飲み会が終わって、

夏の夜だしタクシーを呼ぶほどでもないと、

家までの道を歩いて帰る。



途中、子供たちの通った小学校の脇を通った。

月明かりにジャングルジムが照らされている。



あの頃はここも自分の生活範囲で、

足しげく訪れた場所なのに、

今はよそよそしい。



細い道に入る。

子供たちも学校の帰りに歩いたろう。

どんな気持ちでこの道を歩いていたのだろう。



学校では毎日いろんなことがあったろう。

楽しいことも辛いことも、

いろいろいろいろあったろう。



どんな思いで、

この道を歩いたんだろう。



「今日は楽しかったー」

「もういやだ、学校なんか行きたくない」

「先生は私を見てくれなかった」

「友だちにいじめられた」

「がんばったねってほめられた」



いろんなことが、

毎日あったろう。



小さな背中にしょったランドセルには、

教科書やノートや筆箱といっしょに、

たくさんの思いが詰まっていただろう。



本当に本当によく歩いたね。

行きはどんな気持ちだった?

帰りはどんな気持ちだった?



川にかかる橋に出た。

この橋を渡れば我が家だ。

山のむこうに月がぼうっと浮かんでいる。



「ここを渡ればもうすぐうちだ!」

「早く帰ろう」

「お母さんが待ってるうちに帰ろう」

子供たちはそう思ってくれたろうか。



どんなに理不尽なことがあっても、

自分のうちだけは自分の居場所だと、

家族だけは自分の味方だと、

思ってくれたろうか。



私は想像するだけで、わからない。

自分のフィルターを通してしか、

世界を見ることができない。



そんな子供たちも大きくなって、

もう家にはいない。

唯一、私を待っている者以外には。



玄関が見えてきた。

あそこにはいまだに私を待っている者がいる。



扉の向こう、床にゴロンと横になっているのが見えた。

入ってすぐの場所に横になっている。

いつものクッションの上じゃない。

ここなら飼い主の帰りがすぐにわかるからだろう。

暗い部屋の中、どんな気持ちで待っていただろう。



人間ならば「○○時に帰ってくるよ」と伝えることができるけど、

あの子はそんなのわからない。

飼い主が出て行ったら、ひたすら待つだけだ。

帰ってくるのを信じて、

飼い主の帰宅が一番よく見える場所で、

ひたすら待っている。


あ、私の気配に気づいて立ち上がった。






月は君の待ちぼうけに付き合ってくれたかい?


そうであったらいいなと思った。



−・−・−・−・−・−

例によって久しぶりの更新です(笑)

何かに突き動かされるようにして書きました。

こういうときに限っていつも反応が薄いのですが(汗)、

まあなかなか「伝える」「伝わる」というのは難しいものです。

あと、詳しいことは書けないのですが、

今年の夏はとても忙しいので、

体力つけて乗り切りたいと思います!

だから次の更新はいつになるかわかないよーと、

エクスキューズしておく(爆)

/by nao


スポンサーサイト

Comments

Leave a Reply